「年金はどうなると思う?」
「年金はどうなると思う?」
「どうなると言われても、とても大切なことだし、末永く続くことを願うよ」
「あなたは不安にならないの?」
「不安さ。でも、不安だ不安だと言ったところで、どうにもならないだろ。それに俺ら、まだ30だぜ?そんな先のことなどわからないよ。」
「確かにそうね。でも、私は不安よ。この先何があるかわからないし、体を壊して働けなくなってしまうかも知れない。備えなれば憂いなし、よね」
成程、一理なるな。といったところで、サカキはどうすればいいのか分からなかった。
しかし、タスクの意見はもっともだ。よし、ここらでもう一度、やり直してみるか。
サカキはまるで栄養ドリンクを飲み干したの如く、やる気に満ち溢れたのだった。こんなことは久しくなかった。奇跡といっても過言ではない。このビックウェーブに乗らなければ、先はない。千歳一隅のチャンスかもしれない。
ありがとう、タスク。謝謝タスク。
ふと空を見上げると、無数の星が煌びやかに舞っていた。
自分もタスクの一番星になれるだろうか、と考えながらサカキは歩き出した。